我妻のちょっと役に立つ話 | 抜かない歯医者 岩田有弘歯科医院【東京都中央区日本橋】
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歯を抜かないための予防法
歯を失う原因の90%は、むし歯と歯周病です。
ほとんどの人が、歯周病という言葉は知っています。でも、正しく理解している人は、ほとんどいません。
そして、ほとんどの人が歯周病にかかっています。
そういわれても、20~30代の人の多くは「私は違う」と思っているでしょう。
ところが、そんな人でも、すでに歯周病にかかっている可能性があります。
それが将来歯を失う大きな原因の一つ、「歯周病」なのです。
日本人の成人のうち、約8割が歯周病にかかっています。
では、なぜ自分では気づくことができないのでしょうか。
それは、むし歯とは違って、痛みが出るわけでもなく、穴があいたり色が変わったりなどの見た目の変化もないまま、進んでいく病気だからです。しかも長い年月をかけて、ゆっくりと進んでいき、おかしいなと感じるのは40代くらいからが多いようです。
そのため、人によっては老化の1つとして、歯がダメになっていくのだと感じているかもしれません。
しかし、それは全く違います。80代でも全部自分の歯で、むし歯も歯周病もない人もいます。
それは、その人が特別だからではありません。
現代では、むし歯も歯周病も、そのメカニズムが解明されています。今では、口の中の健康は、その気になればいくらでも守れるものなのです。
とはいっても、なかなか「その気」にはなれないもの……。
病気になると、健康の素晴らしさを改めて感じますが、普段の生活では忘れがちです。
確かに、風邪や小さなケガなら、治れば元通りになります。
しかし、歯は違います。
目を1つ、または足を1本、いいえ、たとえ指1本でも、体の一部を失うことは絶対に嫌ですよね。
歯も、それと同じ体の一部で、しかも本数も役割も決まっています。歯は親知らずを抜かせば28本ありますが、たくさんあるから1本くらいいいかな、とは決して思ってはいけないのです。
といわれても、なかなか実感はわかないかもしれません。
現在は、歯を失ってしまって、「インプラント」という人工の歯を埋め込む治療をする人がとても増えています。
保険はききませんので、1本入れるのに、だいたい40万円くらいが相場のようです。しかも手術が必要で、むし歯の治療のように、その日にすぐできるなんてことはありません。きちんと手順をふんで行うと、実際にインプラントが入るのは半年後だったりと、時間もかかります。
それだけの費用と時間、そして手術による心身への負担をかけてでも、インプラントを選択する人がとても増えているのです。
その意味がわかるでしょうか?
それくらい、歯はなくてはならないものなのです。
ほとんど入れ歯になってしまったお年寄りの中には、自分の歯が戻るなら何百万円かけてもいいという方もおられます。歯を失うと、たとえ経済的に余裕がなくても、歯にかかるお金の割合が増えてしまいます。
失ってから、やっと気づくのですね。
きちんと噛めること、おしゃべりができること、好きな物を何でも食べられる幸せ、大切な人と美味しいものを分かち合える喜び、人前で思いきり笑顔になれること……。
健康を失ってしまった人は、なんの悩みもない健康な歯を羨望してやみません。
そんな羨まれる口の中の健康を、もしあなたが今持っているのなら、絶対に守るべきです。
時期は早ければ早いほど守ることができます。
今できることから、始めていきましょう。
- 運動能力が高まり、将来、寝たきりになるのを防ぐ一因となります。
- 歯がなくなると噛むことが不自由になり、食事がとりにくくなってしまいます。
消化も悪くなって、胃や腸に負担がかかり、体調にも悪影響が出てしまいます。味覚が変わって、食べ物が美味しく感じられなくなることも……。
でも歯があれば、いくつになっても好きな物を食べることができます。
美味しいものを、好きな人と一緒に楽しむことができるのです。 - 噛み合わせが変わることで姿勢が悪くなったり、肩こりが出ることもあります。
また、姿勢が悪いと、考え方もネガティブになりやすいという傾向があります。
その結果、連鎖的に心の健康を損なうこともあるのです。
反対に、いつも背筋がピンと伸びた、姿勢の良い人が、とてもネガティブな考え方をする、なんていうことは、あまり想像できませんよね。
良い噛み合わせで、プロポーションの維持と、前向きな気持ちを保っていくことができます。 - 歯の治療には多くの時間とお金がかかります。
年齢を重ね、治療を繰り返すほど、時間もお金も、もっとたくさん必要になってきます。
健康な時から予防に投資することが、何よりもお得なのです。 - 人工的な歯では、やはり本物にはかないません。表情が乏しくなって、自然な外観や表情を保つことが難しくなり、見た目に自信が持てなくなってしまうこともあります。
すると外出が減ったり、会話が楽しめなくなって、内向的な性格になってしまうことも……。
自分の歯が健康であればあるほど、何も気にせず笑うことができます。
そして、そんな笑顔は周りの人まで笑顔にするのです。
ご自分の歯の大切さが、少しは伝わったでしょうか。
良いことばかりを、少し大げさに伝えてみました。しかし、よく考えてください。
「歯があること」のデメリットは、何1つないのです。
では、どうすればその大切な歯を守れるのでしょうか?
「予防」という言葉は、耳にすることも多いでしょう。
その「予防」をする前に、まずしなければならないことがあります。
そもそも歯を失う原因である、むし歯と歯周病には、人によってかかりやすさ、かかりにくさがあります。
自分がどちらのタイプなのか、正確に知っていますか?
そのタイプ(リスク)によって、予防法は異なってきます。
むし歯があるのか、歯周病なのか、現状を知ることはもちろん大切ですが、自分はむし歯になりやすい人間なのか、歯周病になる可能性はこの先どのくらいあるのか、そうしたことをしっかり知っておくことが、とても大切なのです。
どこの歯科医院でも、口の中がどうなっているのか、その現状は教えてくれますが、これからどんなリスクがあるのか、それを調べて教えてくれる医院は、とても少ないのが今の日本の歯科医療の実態です。
しかし、きちんとされている医院も、もちろんあります。歯科医院を選ぶ時の参考にしてみてください。
- ● 歯ぐきの精密検査
- ● 唾液検査
- ● 歯槽骨の状態の確認(レントゲンにて)
この「バイオフィルム」というものが、歯を失う原因、
むし歯や歯周病の最大の原因なのです。
細菌をゼロにしたり、すべてのバイオフィルムを自分で除去することはできませんが、お口の中を出来る限り清潔に保つことはとても大切です。
その中で最も関わってくるのが、毎日行うセルフケアです。
少しでも上手く、効率的にきれいにする方法を学ぶことは、一生ものの技術の習得なのです。
専用の器械や器具を使って、普段の歯磨きだけでは不十分なところを集中的にきれいにしていきます。
むし歯予防にとても大きな効果があるフッ素。歯科医院で使用するのは高濃度のもので、定期的に塗る事で、むし歯になりにくい歯の質を作っていきます。
また、この他にも、むし歯の進行有無の確認や、歯科の観点からの生活習慣へのアドバイスなどを受けて、普段の生活に取り入れていくことが大切です。
お口の中をトータルで良い状態に導くための管理を行っていくのがメインテナンスです。
日本人は先進国の中で、歯が悪い国だと言われています。
その最も大きな原因が、実はメインテナンスにあります。
海外では半年に1回のメインテナンスが当たり前。行くのが常識という中で、日本は行かないのが当たり前なのです。
まずは自分だけでも、メインテナンスに行くのが当たり前。という感覚で、これから過ごしてみることが、歯を抜かないための最大の予防法です。