水と空気の感染対策

歯医者の「水」や「空気」の衛生面、
気にしたことありますか?

歯科治療をするときに必ず必要になるのが水と空気です。
「水」は、削るときの冷却やうがいに使います。
「空気」は圧縮空気としてエアー(風)で唾液を飛ばしたり、歯を乾燥させたりするのに利用します。
どちらも直接歯に触れるものです。

実はその水やエアーに細菌が増殖している可能性があります!!

2015年8月の読売新聞にも取り上げられています。

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歯科治療では通常の水道水が使われているが、治療装置の維持管理などが適切に行われないと、多くの細菌に汚染された水で治療が行われる心配がある。日本歯科医学会の作業班は、昨年まとめた指針で、細菌対策として消毒液の使用を勧めているが、消毒液を注入できる装置が普及しておらず、消毒を行っている施設は一部にとどまっている。

 歯を削ったり、歯の汚れを除去したりする治療は、患者の口の中に機器から水を注入しながら行われる。この水は、治療が行われない時は、患者が座るチェアに備えられた細い管内に滞留する。時間がたつと水道水の塩素が抜け、元々存在している細菌が増え始める。細菌は集まって、バイオフィルムと呼ばれる薄い膜を管内に作り、細菌がさらに増えやすい環境を作る。

 体には細菌から身を守る免疫機能が備わっているため、こうした水が体内に入っても問題を起こすことは少ないとみられる。しかし、水の細菌汚染を研究している東京医科歯科大学教授の荒木孝二さんは「高齢者など免疫機能が衰えた人が大量の細菌にさらされると、発熱などの症状が表れる可能性がある。院内感染対策として細菌は少ないに越したことはない」と話す。

 荒木さんが班長で昨年まとめた日本歯科医学会作業班の指針では、細菌の増殖を防ぐために、チェアの管に消毒液を毎日入れることを勧めている。消毒液は診療終了後に入れ、次の診療前に全部排出し、新しい水と入れ替える。ただ、こうした消毒液を注入できるチェアは販売されているものの、一部の歯科しか導入しておらず、消毒液による対策は普及していない。

 代わりに多くの施設で行われているのが、チェアの管内にたまった水の排出だ。診療前に治療機器ごとに数分間、水を出しっぱなしにして、細菌が少ない新しい水道水で治療ができるようにする。

 国内のある歯科医療機関のチェアの水を調べたら、1ミリ・リットル中に3800個もの細菌が存在していた。水道法の水質基準では、細菌数が1ミリ・リットル当たり100個以下と定められており、基準を上回る。たまっていた水を排出したら、細菌数は4個に減り、水道法の水質基準を満たした。

 だが、たまった水の排出だけで細菌対策が十分だとは言い切れない。バイオフィルムの付着の程度や、元々の水道水に含まれる細菌数など諸条件によって、水質基準以下にならないこともある心配があるためだ。

 また水の排出を、手間や時間がかかるのを理由に、診療前に行わない歯科医療機関もある。読売新聞が5月に歯科系大学の付属病院・診療所40施設に対して行ったアンケート結果によると、回答の18施設(45%)のうち、3施設は診療前の水の排出を「行っていない診療科もある」と答えた。細菌対策は、歯科医師を育てる歯科医療機関でも、意識が十分ではない。

 厚生労働省歯科保健課は「歯科で使う水も、水道法の水質基準を満たすことが重要だ。水の排出に加えて、消毒液の注入も示されているが、費用対効果も含め、研究が尽くされたとはいえない。今後、国の研究費などで対策を研究していきたい」としている。(渡辺理雄)

当院では水やエアーの清潔にもこだわっています!!

水の清潔

一般的なユニット

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2015年時点で国産の診療ユニットで水消毒システムを有しているのはわずか2社のみです。
朝一番にユニット内の水道水の入れかえをしても、残留塩素濃度は日本の水道法の0.1㎎/ℓ以上という最低ラインも確保できません。基準値以上あることで殺菌・消毒が適切に行われているという証明になります。
また、2003年、アメリカCDCガイドラインに次のような記述があります
「歯科用給水管に勢いよく水を流すことでは給水管内のバイオフィルムには関係なく水質が確実に改善されないことは研究で立証されている。未処置または未ろ過のままの歯科用ユニット水は飲料水の基準を満たしていない」この場合、切削器具を全て滅菌していたとしてもエアータービンからは1000CUF/㎖の一般細菌のコロニーが検出されています。
(ユニット配管チューブ内の水質汚染が深刻)

当院のユニット

①常時上水に1%の割合でデントセプトPを添加し、うがいの水・シリンジ水・切削器具冷却スプレーなど診療台まわりすべての水に使用することで衛生的な水質を維持します。
②滞留水を排出した水回路にデントセプトP(1.4%過酸化水素水+Agイオン)原液を満たし、その状態で24時間以上滞留させることにより強力に水回路内を洗浄します。
4週間に1回行います。
③患者治療終了毎に使用した水回路から水を排出するパージと1日の治療開始前に全水回路から滞留している水を強制的に排出し、新しい水と入れ替えるオートパージが行えます

エアーの清潔

①タンクに水がたまりっぱなし
②エアーが湿っている
③エアーが除菌されていない

タンク内に留まっている水です。
この水と一緒にエアーはタンクに溜まっています。

水抜きのホースです。
新品との差は歴然です。


治療中、歯の神経などが
露出したときに
菌が入る恐れあり!!

①タンクにたまった水を自動で抜く
②エアーが乾いている
③エアーが除菌されている

当院では乾式エアードライヤーの「デントドライS150」を使用しており、雑菌が繁殖している水を水抜きし、エアーを乾燥した後で高性能除菌フィルターで細菌を99.999%除菌した後のドライでクリーンなエアーを治療に使用しています。

※提供:杉山歯科機械
HP: http://dental-air.net/

治療中も細菌のいない水や
エアーで歯の神経を残す
難しい治療にも対応!!