歯周病治療:case1
『いままで予防歯科へ行っていたのに、どうしてこんなに悪い結果なのだろう…』
皆さんにお聞きします
- ・見た目だけを綺麗にしていませんか?
- ・歯ブラシだけでセルフケアをしていませんか?
歯周病は痛みを伴わずゆっくりと進む病気です
「今は問題がないよ!」という方でも上記のことが当てはまれば歯周病の可能性が高くなります
- 大切なのは見た目が美しい事だけではありません
歯を支えている土台(骨)をいかに健康で頑丈に維持できるかです
●治療前後口腔内写真
初診時は歯茎が赤く腫れあがり重度の歯周病でしたが、
磨き方の見直しと目には見えない歯茎の中のお掃除(SRP)を行い歯周病が大きく改善しました
見た目での変化では分かりにくいですが検査結果をみると、大きく改善しています
歯茎からの出血 | 4㎜以上の 深い歯周ポケット |
磨き残し | |
---|---|---|---|
初診時 2020/12 |
80.6% | 25.8% | 85.5% |
再評価 2021/4 |
16.4% | 7.8% | 10.3% |
メインテナンス 2021/7 |
12.1% | 5.2% | 6.3% |
担当衛生士からのアドバイス その①
- 1ヶ月で新しい歯ブラシに交換
- 予防プログラム1回目の問診で「前回歯ブラシを変えたのはいつですか?」と聞くと
『6ヵ月前くらいかな~』『いつ変えたかわからない』『毛先が開いてきたら』という声を耳にします
しかし、歯ブラシは傷んでしまうといくら磨いても汚れの除去率が低下してしまいます・・・
そこでお願いしたいのが月に1度の歯ブラシ交換!
(毎月1日などと決めるのがおすすめです)
常に綺麗な歯ブラシで磨けるようにしましょう♪
(患者さんのなかにはブラッシング圧や使用している歯ブラシの硬さによって1ヶ月に
2回交換していただく方もいます)
●磨き残しチェック
磨き残しを赤く染め出し、どこに残りやすいのか、何の道具を使うと落としやすいのかを一緒に考えます
次の来院時に染め出されていた箇所が綺麗に磨けていると患者さんのモチベーションアップにつながります
担当衛生士からのアドバイス その②
- 歯ブラシ+補助用具
- 残念ながら歯ブラシだけでは全体の50-60%程度しか磨けません
日本の歯磨き習慣は歯ブラシだけに頼りすぎています
残りの汚れを落とすためにはワンタフトブラシや歯間ブラシ、フロス(糸ようじ)などの補助用具が必要不可欠となります!
また、ブラッシング前に30秒間リステリンで洗口すると汚れが落ちやすくなるので
おすすめです
●右下奥歯裏側
治療を進めていくと歯と歯茎の境目に付着しているプラーク(歯垢)がとてもきれいに磨けるように
なりました
それに伴い歯茎の赤み、腫れも消失しています
●上顎前歯部・下顎前歯部
着色部分は表面がザラザラしているためプラーク(歯垢)が付着しやすい場所となります
また歯の質や唾液の量には個人差があるため、きれいに磨けていても着色の付きやすい方がいます
着色はブラッシングで除去することができないため歯科医院で除去してもらいましょう
●左上奥歯裏側
初診時丸みを帯びていた歯茎が、薄いピンク色になり厚みも薄くなっています
これは歯科衛生士の力だけではなく、患者さんのセルフケアの協力があってこその結果です
着色・歯石除去・ホワイトニング・矯正等、目に見えている部分を美しくしているだけでは
いずれ歯を支えている骨は崩壊し歯は抜け落ちてしまいます
せっかく美しくなったのにもったいないですよね
美しさを保つためにはセルフケアとメインテナンスの二人三脚が必要不可欠です
担当衛生士からのアドバイス その③
- 正しいメインテナンスのポイント
- 通っている歯科医院では
担当制のメインテナンスですか?磨き方を指導してくれますか?
歯茎からの出血を丁寧に検査していますか?上辺だけの清掃で処置を終了していませんか?
30分程度で口腔内をきれいにすることはとても難しいことです
予約時間をどれくらい確保してくれているのか確認してみましょう
365日行うセルフケアに優るものはありません
治療しに行くところ=歯科医院 ではなく
虫歯と歯周病を予防するために行くところ=歯科医院 にしましょう
私達はもっとたくさんの方に歯の大切さを知って欲しい!と日々思いながら診療しています。
予防はいつ始めても遅くありません。
少しでも『私が受けているメインテナンスは大丈夫かな・・・』『磨き方が自己流で少し不安・・・』と思った方はお気軽にお問い合わせください。